2021年7月29日に実施された、労働政策審議会労働条件分科会自動車運転者労働時間等専門委員会トラック作業部会の議事録が、10月14日(木)に厚生労働省のホームページに掲載されました。

先だって掲載された、会議の資料で改善基準告示の見直しに向けた動向が確認できます。

資料によると、主に次の様な点に関して意見が出されています。

なお、本情報はまだ議論の段階であり、最終決定ではないことをあらかじめご留意ください。

労働政策審議会(労働条件分科会自動車運転者労働時間等専門委員会)|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-rousei_126973_00001.html

厚生労働省

1ヶ月、及び1年の拘束時間に関して

現行では1ヶ月の拘束時間は293時間、1年の拘束時間は最大3,516時間となっています。

これに対して労働者側からは、一般則である年間の時間外720時間を念頭に、年間の拘束時間を3,300時間とし、3,300時間を12で割った275時間とすべきという意見がでています。

一方、使用者側からは年間時間が960時間を前提にすべきであり、休日抜きの年間拘束時間を3,300時間とすべきという意見がでています。

しかし、使用者側の案では現行と変わらないという労働者側の意見があり、引き続き議論がされるようです。

1日の休息時間、拘束時間、最大拘束時間

現行では1日の休息時間は8時間、拘束時間は13時間、最大拘束時間は16時間となっています。

これに対して労働者側からは、ILO勧告を踏まえ1日の休息時間を11時間とする意見がでています。これにより、1日の最大拘束時間は13時間となります。

一方、使用者側からは1日の最大拘束時間を13時間にしてしまうと業務の繁閑に対応できないという意見がでています。

本件に関わる重要法改正

2023年4月から中小企業においても、月60時間を超える時間外労働に対する割増率が50%となります。

議事録を読むと、使用者側の意見として、次の様な趣旨の発言が見られます。

改善基準告示を性急に変更すると混乱が生じる。2023年4月以降割増率が上がることに伴い、自然と60時間以上の時間が労働が減っていくのではないか。そうすれば、改善基準告示を大幅に変えずとも労働者側がのぞむ労働環境になる。

いずれにしろ本審議会でも焦点の一つとなっている様に、今後の労働力確保のため、トラックドライバーを若い人材に対して魅力ある仕事にすることが急務です。

業界全体で取り組むと同時に、会社ごとに魅力ある職場作りに取り組みましょう。

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